診療科部長からのご挨拶
薬物療法からカテーテルを使った高度な治療、心臓リハビリテーションまで行っています。
循環器専門医2名を含む3名の常勤医と3名の非常勤医、2名の外来担当医で診療しており、循環器専門医研修施設、心臓リハビリテーション指導士の在籍する心臓リハビリテーション実施施設として、「高度な医療レベルからリハビリテーションまで」をコンセプトとしております。
心臓疾患や血管疾患を中心に動脈硬化に関連する種々の疾患に関し、個々の患者さんに適した検査、治療を行っております。
診療科の特色・活動内容
1.虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
虚血性心疾患に対するカテーテル治療は近年成熟しており、より迅速、より安全に施行できることが要求されています。当院は近隣地域の基幹となる循環器診療を行っている総合病院として最先端の治療を提供し、生活の質を担保できるよう可能な範囲で診療を行っております。
2.心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーション指導士の資格を有する医師、理学療法士が運動療法を行っております。
他院及び当院での心臓血管手術後、心筋梗塞、心不全で動きにくい体や、低下した心機能の改善を目標としております。運動療法だけでなく、病気についての啓蒙や日常生活上の注意点、内服薬の重要性、食事療法など総合的に多職種がサポートすることで社会復帰や再発予防を目指しています。
3 . 末梢動脈疾患(PAD)に対するカテーテル治療など
PADとは手足の末梢動脈が動脈硬化により細くなり閉塞し血流障害を起こしてくる病気です。高齢化が進む本邦では今後増えてくる病気と考えられます。特に喫煙者、糖尿病、高血圧、脂質異常症、透析患者さんに起こることが多い病気です。
下肢のしびれや冷感、歩いていると筋肉痛が出る、下肢に治りにくい潰瘍や紫色(チアノーゼ)から黒くなり進行すると足趾の壊疽となるなどの症状がでます。PAD)は重症化すると予後は悪く、生活の質(QOL)の低下に直結するため、早期発見、早期治療が必要となります。
当院では内服治療、リハビリテーション、カテーテルによる治療まで幅広く行っております。
現在行っている治療
冠動脈に対するカテーテル治療
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療には内服治療、リハビリテーション、カテーテル治療、外科的治療があります。カテーテル治療とは動脈硬化によって狭くなった血管を広げ、血流を再開させるものですが、風船治療と呼ばれる「バルーン治療」と、網状の金属の筒(ステント)を植込む「ステント治療」があります。カテーテル治療時には血管内超音波(IVUS)を行い、病変を詳細に解析した上で治療を実施しています。
薬剤溶出性ステント 薬剤溶出性バルーン
カテーテル治療は一定の頻度で再狭窄(もう一度血管が狭くなること)を起こします。2000年前後の通常のバルーン治療の時代は30-40%と高率に再狭窄を認めていましたが、ステントを用いることで20%程度となり、さらに薬剤溶出性ステント、薬剤溶出性バルーンでは10%未満となっております。
ロータブレーター
先端にダイヤモンドが埋め込まれたバーが、高速回転することによって、石灰化により固くなった動脈硬化病変を削るものです。動脈硬化が石灰化し固くなってくると通常のバルーンでは拡張が悪くなり、 拡張が悪い状態でステントを留置してもステントそのものが十分に拡がらず、 再狭窄の可能性が高くなります。事前に行うことによって手術の成功率の上昇が期待できます。
下肢動脈に対するカテーテル治療
内服治療、リハビリテーションにても改善しない方、重症の方についてはカテーテル治療を考慮します。冠動脈と概ね同様のバルーン、ステントを用います。
徐脈性不整脈に対するカテーテル治療
心臓は通常毎分50〜100回で動いていますが、通常よりも脈が遅く、めまい、ふらつき、息切れ、意識消失などの症状を来たす場合ペースメーカー治療が必要となります。
ペースメーカーは、本体(電池)とリード(電線)で構成されています。患者さんの病気により、リードは1本もしくは2本となります。電池は8-10年程度で消耗するため、時期がきたら本体交換を行います。電池の寿命は、ペースメーカー外来で半年に1回チェックします。当院では自宅にいながらチェックが可能な遠隔モニタリングを行っておりその場合であれば1年に1回の来院の通院となります。
手術時間は2時間程度です。全身麻酔ではなく、声をかければ応答できる程度の鎮静で手術を行います。心臓そのものを切ったり縫ったりすることはありません。手術時の合併症は約2%に生じ、ポケット腫脹(血腫)、リード位置移動、気胸、感染などがあります。手術数年後の慢性期に、ポケット感染、ポケット部皮膚圧迫壊死、リード断線など生じることがあります。
スタッフ一覧
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宮越 一穂
主な資格
- 日本循環器学会(専門医)
- 日本内科学会(総合内科専門医・指導医)
- 日本高血圧学会(指導医・専門医)
- 日本脈管学会
- 日本生命倫理学会
- 日本医師会(認定産業医)
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中島 大成
主な資格
- 日本循環器学会(専門医)
- 日本内科学会(総合内科専門医・指導医)
- 日本高血圧学会(指導医)
- 日本不整脈学会
- 日本心血管インターベンション治療学会
- 日本心臓リハビリテーション学会(指導士)
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津久田 享三
主な資格
- 日本循環器学会
- 日本内科学会
- 日本心血管インターベンション学会
- 日本心臓リハビリテーション学会
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綾田 健士
主な資格
- 日本循環器学会(専門医)
- 日本内科学会(総合内科専門医・認定内科医)
- 日本心血管インターベンション治療学会(心血管カテーテル治療専門医・認定医)
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小野 博司
主な資格
- 日本循環器学会
- 日本内科学会(内科専門医)
- 日本心血管インターベンション治療学会