バスキュラーアクセス科について
2017年に南大阪病院に赴任しシャント外来を開設させて頂きましたが、地域の先生方のご紹介により自施設、他施設を問わず通院患者数が大きく増加し、2023年4月よりバスキュラーアクセス(VA)科が新たに設立されることとなりました。VA治療に特化し、南大阪病院周辺地域の透析医療により一層お役立ちできればと考えております。シャントトラブルの際は、お気軽にご相談下さい。
なお私の腎臓内科外来枠(火曜午前)は、新しく赴任された桑村伸幸先生(腎臓専門医)に交代し、継続して参ります。
南大阪病院 VA科 増本晃治
VA科 外来について
定期シャントエコー外来実施日
- 火・金 13:00~16:00まで
- 土 13:00~14:00まで
VA外来受診希望の方は、下記までお問い合わせ下さい。
非外来日でもご予約は承ります。(水曜日を除く)
南大阪病院 代表:06-6685-0221
生理機能検査室にお繋ぎ頂いて、「シャント外来受診希望」とお伝えください。
(10時~15時まで受け付け、土曜日は10時~12時まで)
予定を調整し、地域医療推進室より折り返しご連絡差し上げます。
急を要する場合は、「シャント閉塞」など、その旨をお伝えください。
シャント外来 通院患者数の変化
VA科での取り組み
当院VA外来の臨床検査技師によるエコー所見です。シャント治療用だけでなく、かかりつけの透析室でもお役立ていただけるよう心がけております。
治療成績の紹介
当院では、薬剤溶出性バルーン(DCB)を用いたシャントPTAが可能です。
図は、南大阪病院でシャントPTAを行った64例の180日間の開存成績の違い(DCB vs 通常Balloon)を示しています。
DCBは著明な開存率の延長を認めました。頻回PTAを要しDCB PTAをご希望の患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひご相談下さい。
当院VA科の治療件数の紹介
VA外来開設以前の当院でのシャントPTA件数は年間12件程度(2016年度)でした。2017年シャント外来開設後、通院患者さんの増加に伴って治療件数は増加の一途でしたが、2021年5月以降、薬剤溶出性Balloon(DCB)を用いたシャント治療を行うことで、当院全体での治療件数も大幅に減少させることに成功しました。最新のデバイスを積極的に取り入れ、引き続きより良い治療に勤めて参ります。
VA科の治療内容
当院で対応可能なシャント関連手術例
- 自己血管内シャント作製、修復
- 透析人工血管移植術
- 動脈表在化
- 静脈表在化
- シャント静脈瘤
- カフつきカテーテル留置術
- 感染人工血管抜去 など
透析治療は生涯続くため、シャント血管の安定は患者さんのQOLに大きく関わります。自己静脈は非常にバリエーションが豊富であり、それぞれの透析患者さんに合わせた先を見据えた血管治療、管理が重要です。
昨今はエコーガイド下PTAの進歩や、薬剤溶出性balloonや、ステントグラフトなど新たなデバイスの登場により、大幅な開存期間の延長が得られるケースも増えて参りました。
シャント管理の経験豊富なアクセス医は少なく、入院病床を備えた総合病院でのVA科はさらに珍しいですが、その特色も生かし、より良い治療とご紹介頂いた患者さんが透析室で安定した穿刺を受けられるよう精進して参ります。
シャントトラブルや、定期的なシャント管理をご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
2023年 5月 南大阪病院 VA科 増本晃治
学会活動や講演活動の紹介
■ 2023年6月16日〜18日 第68回 日本透析医学会学術集会・総会
イブニングセミナー1 講演
DCBがもたらしたVA治療の進化と今後の展望
~シャントPTAの治療頻度に悩む患者さんのために~
「DCBによる治療選択の拡大と有用性」
イブニングセミナー2 コメンテーター
神戸の夜に語り合う 症例検討会 “Vascular Access Night”
一般演題・筆頭演者
IN.PACT AVTMDCB初回使用症例における開存期間延長効果の検討~4施設合同研究~
一般演題・共同演者
透析室の穿刺場面におけるエコーの有用性について
一般演題・共同演者
急性期病院におけるカフ型カテーテルの使用実態~ 3施設での成績~
■ 2023年4月14日 VAIVT Academy 25th Boston Scientific Webinar 講演
「シャント治療 院内・院外連携をどう作るか みなさんどうしていますか?」
■ 2023年3月4日 第28回透析VAIVT医学会学術集会・総会 一般演題 共同演者
「急性期病院におけるカフ型カテーテルの使用実態〜3施設での成績〜」
■ 2023年3月4日 第28回透析VAIVT医学会学術集会・総会 一般演題 筆頭演者
「内膜肥厚の少ない陰性リモデリングにDCBは効くのか?」
■ 2023年3月4日 第28回透析VAIVT医学会学術集会・総会 ランチョンセミナー 講演
「What’s TCC? 」
■ 2022年11月22日 Boston Scientific Webinar 講演
「やってみよう臨床研究」
■ 2022年10月22日 協和キリン株式会社 透析でのシャント管理を考える会 Webinar 講演
「シャントPTAを減らす!〜薬剤溶出性balloon〜」
■ 2022年10月1日 第26回日本透析アクセス医学会学術集会・総会 座長
パネルディスカッション 「エコースキル」
■ 2022年8月20日 第16回クリアランスギャップ研究会学術集会総会 スイーツセミナー 講演
「IN.PACT AV DCBへの期待」
■ 2022年8月9日 GORE WEB EVENING OF CLINICAL DISCUSSION 症例報告
「Think about AVG outflow treatment 」
■ 2022年7月19日 カネカ Webinar 講演
VAIVT新時代における治療戦略 「DCBを用いた治療戦略」
■ 2022年7月3日 第67回 日本透析医学会学術集会・総会 一般演題 筆頭演者
「深部静脈や分枝の影響と思われる狭窄に対し, IN.PACT AVを使用した2例の経過観察」
■ 2022年5月28日 Boston Scientific Webinar 総合コメンテーター
シャントの基本 AVF徹底討論
■ 2022年2月9日 Medtronic Webinar 講演
IN.PACT AVの初期経験 〜IN.PACT AV使用に伴う血管内腔の変化の観察〜
■ 2021年11月27日 第25回 日本透析アクセス医学会学術集会・総会 スポンサードセミナー パネリスト
「VAIVT新時代におけるバスキュラーアクセスの選択と戦略」
■ 2021年11月27日 第25回 日本透析アクセス医学会学術集会・総会 一般演題 筆頭演者
「IN.PACT AVを使用したシャント血管のエコーによる経過観察」
■ 2021年9月21日 第95回 大阪透析研究会 Webセミナー
「VAIVT UPDATE 〜エコー検査から治療まで〜」
■ 2021年6月5日 第66回 日本透析医学会学術集会・総会 一般演題 共同演者
「エコー初心者がFC1-XのAuto VF機能を用いたVA評価に対する検討」
「過剰血流AVFのHD患者の急性心不全に対し、シャント閉鎖術を行い救命し得た一例」
「IAPモニタリングの有用性の検討」
■ 2021年6月5日 第66回 日本透析医学会学術集会・総会 イブニングセミナー
「VAIVT新時代に即したバルーン選択とは」
スタッフ一覧
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増本 晃治
主な資格
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医
- 日本透析医学会 透析専門医・指導医
- 日本糖尿病学会 VA血管内治療認定医
- 日本透析アクセス医学会 腎臓リハビリテーション指導士
- 透析VAIVT医学会
- 日本アフェレシス学会
- 日本急性血液状浄化学会
- 日本腎臓リハビリテーション学会