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胸部外科について

 胸部外科では主に呼吸器疾患の診療を行っています。
なかでも肺がんは近年増加の一途をたどっており、当科でも多くの肺がん患者さんの診療を行っていますが,高齢化に伴い80歳台の患者さんが増加しています。
また発見が遅れるため、来院されたときにはすでに進行しており手術の出来ない方が多いのも肺がんの特徴です。
 当科では手術以外にも、抗がん剤や放射線治療を組み合わせて最善の治療を受けていただけるように努力しています。
 がんの死亡者数は年々増加しており、将来は二人に一人が何らかのがんに罹患し、三人に一人はがんで亡くなると言われています。
なかでも肺がんの罹患者はますます増加が見込まれています。
現在肺がんは最も死亡率の高いがんとして知られています。男性では1995年から胃がんを引き離して連続で死亡率1位であり、女性でも大腸がんに次いで死亡率2位となっています。

肺がんの組織分類は非小細胞肺癌と小細胞肺癌に分けられ、非小細胞肺癌は扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌に分けられます。
肺癌の90%近くは非小細胞肺癌で、なかでも腺癌が最も多くみられます。以前は肺癌と言えば男性の喫煙者でしたが、最近は腺癌が増加しており、女性や非喫煙者に多く見られます。

肺がんの診断には咳や血痰などの症状の他に、レントゲン、CT、腫瘍マーカー、喀痰細胞診、PET、気管支鏡検査などを組み合わせて行います。

肺がんの診断

  • 臨床症状
  • 胸部レントゲン、胸部CT
  • 腫瘍マーカー
  • 喀痰細胞診、胸水細胞診
  • 気管支鏡
  • PET(陽電子放射断層撮影)
  • 胸腔鏡下生検、開胸下生検
  • 手術

特にCTでは図のように1センチ程度の小さい肺がんもはっきりわかるため有用な検査となっています。

しかしこのような小さい肺がんを診断することは困難な場合もあり、胸腔鏡による生検や手術が必要になることもあります。
気管支鏡検査では図のように気管支を閉塞する腫瘍を確認して診断することができます。

 

 治療法としては外科手術、抗がん剤治療、放射線治療、免疫療法があります。
 抗がん剤治療も、タイプの違う抗がん剤を組み合わせて行う多剤併用療法に加えて、がん細胞に直接作用する分子標的治療薬が多く開発され良好な結果が得られるようになってきました。また新しく登場した免疫治療薬もその有効性が認められ、いろいろな薬の組み合わせでさらなる効果が期待されています。

また肺がん以外にも若い男性に多い自然気胸や大腸がん、乳がんなどの転移性肺がん、縦隔腫瘍などの手術を行っています。

胸部外科部長  柿本 祥太郎

肺がんの治療

外科治療

標準治療(肺葉切除術、肺全摘術)
縮小手術(部分切除術、区域切除術)
胸腔鏡手術

抗がん剤治療

従来の抗癌剤(DNA、RNA阻害剤)
分子標的薬(EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子)

放射線治療

免疫療法

手術件数

肺がん転移性肺腫瘍自然気胸縦隔腫瘍肺良性腫瘍膿胸
30例4例10例3例2例1例
2023年度

スタッフ一覧

  • 柿本 祥太郎

    柿本 祥太郎

    主な資格

    • 日本外科学会専門医/指導医
    • 日本胸部外科学会指導医