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診療科からのご挨拶

 呼吸器内科は、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、肺炎などの呼吸器感染症をはじめとした幅広い呼吸器疾患に対応し、良性疾患から悪性疾患までさまざまな症例を扱っている。進行肺がんの薬物療法を中心に、診断から治療、さらには緩和ケアまでを包括的に担当しており、患者ごとの状況に合わせた専門的な医療を提供しています。
 特に肺がん診療では、化学療法、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬など、最新の薬物療法を組み合わせる治療を行っている。免疫チェックポイント阻害薬の導入や分子標的薬の進歩により、従来は予後不良とされた切除不能進行非小細胞肺癌でも、長期生存を期待できる症例が現れており、治療成績は年々向上しています。当科では、制吐薬などの支持療法も積極的に併用し、副作用コントロールを含めた総合的ながん治療を行っています。
 診療方針として、Shared Decision Making(SDM:エビデンスと患者本人の価値観・希望をすり合わせ、医療者と患者が協力して治療方針を決定するプロセス)を重視しています。患者と医療者が同じ情報を共有し、納得した上で治療を進めることを何より大切にしています。

診療科の特色・活動内容

 診療体制は、呼吸器内科 常勤医1名による専門外来を中心に運用している。間質性肺炎など、一部の高度専門領域については当院で診療を行っていないため、必要に応じて適切な高次医療機関・専門施設へ速やかに紹介し、地域として最適な診療につなげています。
 当院では放射線治療設備を有していないため、局所進行非小細胞肺癌、限局型小細胞肺癌、骨や脳への転移に対する緩和照射など、放射線照射が必要な症例は近隣医療機関と連携して放射線治療を依頼しています。一方で、胸部外科とは院内で密接に連携し、免疫チェックポイント阻害薬を含む周術期治療など、手術との組み合わせを意識した治療計画を検討・実施しています。
取り扱う主な疾患・病態は以下のとおりです。

肺がん

手術以外の領域(診断、薬物療法、緩和ケアなど)を包括的に担当し、特に小細胞肺がん症例では免疫チェックポイント阻害薬併用化学療法を積極的に実施しています。

気管支喘息

呼気一酸化窒素(NO)測定などで気道炎症の程度を評価し、適切な吸入療法(吸入ステロイドなど)を調整する。症状が安定した患者は、地域のかかりつけ医へ逆紹介し、日常診療へスムーズに移行できるよう連携しています。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

喫煙歴などの背景をふまえ、呼吸機能検査による診断・評価を行い、吸入薬を中心とした維持療法を行っている。こちらも状態が安定した後は、地域の医療機関と情報を共有しながら経過観察をお願いしています。

主要統計・業務実績統計(令和6年[2024年1月~12月])

1. 外来患者数・新規紹介患者数

 2024年も、肺がんを中心としたがん薬物療法目的の紹介患者が多数を占めた。特に、進行肺がんに対する初診紹介が一定数継続しており、当院が地域における「がん薬物療法の相談先」として機能していることが示されました。
[外来患者総数:1118件]

2. 入院治療件数

 がん薬物療法導入時の全身管理、感染症治療、急性増悪への対応などで入院管理を行いました。
[入院延べ件数:133件]

3. 化学療法・免疫療法実施件数

 プラチナ併用化学療法+免疫チェックポイント阻害薬、小細胞肺がんに対する併用レジメン、分子標的薬による個別化治療などを中心に実施した。副作用マネジメントとして制吐療法・支持療法も標準化され、安全性の確保に努めています。
[レジメン数:191回]

今後の展望・取り組み

 呼吸器内科は、これまで通り肺がん薬物療法を中心とした専門診療を担いながら、患者と医療者が協力して治療方針を決めるShared Decision Makingの実践をより徹底していきます。これは、高齢化・併存疾患の多い患者や、治療選択肢が急速に増えている進行肺がん患者にとって特に重要です。
 胸部外科との連携はさらに強化し、免疫チェックポイント阻害薬を含む周術期治療など、外科手術と内科的治療を組み合わせた総合的ながんケアを提供します。こうした集学的治療の整備により、手術適応症例から進行・再発症例まで切れ目のない医療を院内で提示し、放射線治療など院外で必要となるパートについては近隣施設と連携しながら切り離さずに伴走する体制を整えていきます。
 さらに、診療の質向上という観点では、副作用マネジメントを含めた支持療法の標準化、外来化学療法の安全運用、説明資料や同意プロセスの整備など、患者にとって「わかりやすいがん治療」を実現する取り組みを継続します。

スタッフ

  • 平野 勝也

    平野 勝也

    主な資格

    • 日本内科学会(総合内科専門医)
    • 日本呼吸器学会(指導医・専門医)
    • 日本肺癌学会
    • 日本臨床腫瘍学会
    • 日本がん治療認定医機構(認定医)