診療科からのご挨拶
眼の玉、すなわち眼球はピンポン玉にも満たない小さいものですが、視覚情報を受け入れる精密な感覚器です。眼科とはこの小さなピンポン玉である、眼の病気を扱う科であることはご存知かと思います。
眼の病気には、大別してレッドアイと呼ばれる感染性のもの、ホワイトアイと呼ばれる非感染性のものがあげられます。レッドアイとは、その言葉が示すように目が赤い状態で、主に結膜炎などを示しています。
一方ホワイトアイとは高血圧、糖尿病、動脈硬化などの全身性の疾患から起こる眼の病気を指すもので、たかが眼と言えども全身疾患との関わりは深く、眼の病気の奥深さを示しています。 目が赤いと言うことだけではなく、高血圧や糖尿病で内科に通院されている方は一度、眼科専門医に受診されることをお勧めします。
白内障について
眼はよくカメラにたとえられよすが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。 水晶体は直径9mm、厚さ4mmの凸レンズの形をしており、透明で光をよく通します。白内障とはその水晶体が濁ってくる病気です。 濁った水晶体では、光がうまく通過できません。濁りを通して見ることになるので、かすんで見えるようになり徐々に視力が低下してきます。
白内障は様々な原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものです。 個人差はありますが、誰でも年をとるにつれ水晶体は濁ってきます。 日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせます。 しかし、点眼薬は水晶体が濁るスピードを遅くするもので、白内障を治したり進行を止めることはできません。
白内障が進行して日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。現在、白内障の手術は濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れるという方法を行います。
白内障が進行して、水晶体が硬くなり超音波で砕くことができなくなっている場合は、水晶体を丸ごと取り出す方法をとることもあります。 網膜や視神経、角膜などの他の部分に異常がなければ手術によって視力回復が期待できます。 白内障手術の技術は進歩し、局所麻酔で比較的短時間で行うことができ、全身への負担も少なく、ご高齢の方でも行うことができます。
当院では、従来のNIDEK社製の高性能なCV-24000の超音波白内障手術装置と、新たに購入したLeica社のM844F40最新型マイクロシステムを使用し、安全な白内障手術を目指しています。
高齢化社会に伴い、白内障の患者様が年々増加しています。 白内障手術で視力改善することにより、よりよい生活を送っていただけることを願っています。
スタッフ一覧
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米本 由美子
主な資格
- 日本眼科学会(眼科専門医)
- 大阪府眼科医会