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公開医療講座が開催されました(2025年8月9日)

お知らせ

 今回の公開医療講座のテーマは、「 肺がんは怖い病気?」 ~ここまで進歩した肺がん治療~という演題で、呼吸器内科 医長の平野 勝也 医師が担当でした。

 今回の講演では、肺がんの基礎知識、検査と診断、治療の3つのパートに分けてわかり易く解説されました。

 まず、基礎知識のひとつとして、新たに診断されるがんとして、大腸がんに次いで肺がんが2位となり、1990年代以降はがんの死亡原因 第1位となっている現状を紹介されました。
 定期的ながん検診によりがんの早期発見、早期治療で生存率向上と治療選択肢の拡大、より負担の少ない治療が可能となるので、検診の受診を強く勧められました。特に、大阪市では全国42位の検診受診率と、全国に比べて非常に低い現状があること、住之江区を含む当院近隣の患者さんでは全国平均より喫煙関連の肺がんが高い傾向にあることなどを解説され、禁煙した時点から死亡率が低下するので、喫煙者においては禁煙も強く勧められました。

 肺がんの治療については、従来からある抗がん剤も嘔吐などは殆ど抑えることができるように副作用対策は大きく進歩してきており、分子標的薬が毎年のように新薬が登場し、遺伝子変異を調べることで適切な薬剤選択ができ、生存率の大幅な向上が見込めるようになってきているデータを示されました。また、自らの免疫機能を活性化させて治療する免疫チェックポイント阻害剤の登場と新薬の登場で、予後が悪いとされる非小細胞肺がんの治療においても従来治療に対して2倍から5倍の生存率向上と、治療の革命をもたらしていることも紹介されました。

 当日は、住之江区民の健康対策を日々思案されている住之江区長の藤井秀明さんにも参加頂きました。大阪市ではがん検診率が低い現状を踏まえ、本日の講演内容を参考にして行政からも検診率向上も含め、多方面から働き掛けをしていこうと考えていると、結びのご挨拶を頂きました

当日は26名の参加をいただき、皆さん熱心に聴講され盛況な会でした。

今後開催予定

次回講座テーマ
①「 年を取ったから⽣活の動作はできなくなるの?! 」
 講師:診療支援部 部長 山川 智之

②「栄養のお話」〜バランスの良い⾷事ってなに〜
 講師:栄養科 主任 中西 由佳

【日 時】2025年10月4日(土曜日) 14:00〜15:00
【場 所】 南大阪病院 外来棟 1階 多目的ホール
【参加費】 無料
 ※ 事前申し込みは必要ありません、直接会場へお越し下さい。
 ※ 日程および内容は急な変更もありますので、その際にはご了承ください。
 ※ 皆さまのご参加をお待ちしています。