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南大阪病院外科News 2024年 Spring

外科コラム

身体に負担の少ない外科治療を目指して

 従来よりお腹を大きく開けて行う手術(いわゆる開腹手術)に比べて、お腹に開けた小さな穴から炭酸ガスを入れてお腹を膨らませ、穴からカメラ(腹腔鏡)と細い手術器具(腹腔鏡鉗子)を入れて、モニター(画面)を見ながら行う手術である腹腔鏡手術は身体に与える負担が少ないとされています。当院外科では癌に対する手術だけでなく、良性疾患を含めて様々な手術を腹腔鏡下に行い、2023年では手術の80%以上を腹腔鏡で行っています。

しかし、腹腔鏡手術では、鉗子が直線的でアプローチしにくい部位があり、手術時間が長く、技術的に難易度が高く外科医による差異が大きいなど、特有の欠点があります。これらを解消するために開発されたのが、手術支援ロボットです。手術支援ロボットによる手術は、3D画像による詳細な術野画像が得られ、人間の手に近い動きをする多関節鉗子が使用できる、手ブレがないなどの様々な利点があります。

多く利点を有する手術支援ロボットによる手術は、手術部位の微細解剖の確認や、血管・神経周囲の操作が容易になり、癌の根治性向上や機能温存などに寄与することが期待されています。当院では手術支援ロボットのうち最も普及している「Da Vinci Xi」を導入し、2024年2月より結腸癌・直腸癌の方に対して適応しています。今後ともより患者さんの身体に負担の少ない外科治療を目指して、安全性に注意しつつ胃癌・食道癌へ適応を広げる予定です。

南大阪病院外科では、24時間体制で外科疾患の診察を行っています。 
Tel:06-6685-0221(代表)