サイト内検索

南大阪病院外科News 2025年 Winter

外科コラム

当院の大腸癌に対する外科的治療のご紹介

 切除可能な大腸癌に対しては外科的治療が標準治療です。
 この大腸癌に対する手術は1990年代の腹腔鏡手術の普及により急速に腹腔鏡下手術の手術件数が増加しています。実際に日本内視鏡外科学会の第17回のアンケート集計によると、結腸癌に対する腹腔鏡下手術は26338件、直腸癌に対する腹腔鏡下手術は15740件と年間40000件を超える手術が行われており、非常に普及しています。腹腔鏡下手術は、傷が小さく、腸管を直接触らないことで蠕動の回復が早く、拡大視野で術野を見れるため繊細な手術が可能など様々な利点があります。しかし、その一方で使用する鉗子類は直線的な構造でアプローチしにくい場所があることや、手ブレが生じるなどの欠点がありました。これらの欠点を克服するために開発されたのが、手術支援ロボットです。

 日本ではまず2012年4月に泌尿器科領域で前立腺癌に対するロボット支援手術が保険適応となり、消化器外科領域では2018年4月から直腸癌に対して「ロボット支援直腸切除術」が保険診療として認可されました。これ以降、直腸癌に対するロボット支援手術の件数が急速に増加し、腹腔鏡下手術に置き換わりつつあります。さらに、2022年4月からは結腸癌に対してロボット支援手術が保険適応になり、大腸癌に対してのほぼ全ての手術がロボット支援下に行うことが可能となっています。

 当院でも以前より大腸癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っており、2023年の集計で結腸癌手術の90%、直腸癌手術の80%を腹腔鏡下に行っています。しかし、地域の患者さんにさらなる低侵襲で安全な手術を提供するため、2023年末に手術支援ロボットDaVinci Xi を導入しました。
 導入後、外科医のみならず看護師を含む手術室スタッフを含めたトレーニングの後に、2024年1月から泌尿器科が手術を開始し、2月からは外科がロボット支援手術を開始しました。

術中にトラブルは無く、開腹手術や腹腔鏡手術へ移行した症例もありませんでした。また、輸血を必要とした症例もなく、安全に行えております。今後とも安全性と根治性に軸足をおき、地域の患者さんにロボット支援手術をお届けしたいと思っております。

ロボット手術外来

診察日時   :毎週 月曜日・木曜日
診察時間   :13時〜14時
診察担当医  :竹村雅至

南大阪病院外科では24時間体制で外科疾患の診療行っております。
Tel : 06-6685-0221 (代表)