お腹の痛みや違和感があり、その部位に膨らみがある場合には腹壁ヘルニアが疑われます。この腹壁ヘルニアのうち最も多いのは、鼠径部が膨らんでくる鼠径ヘルニアです。

以前に手術を受けられた方が、手術の傷の部分が膨らんでくる状態を
腹壁瘢痕ヘルニア
と呼んでいます。

腹壁瘢痕ヘルニアは、以前受けた手術の傷の部分が弱くなり、その部位に一致してお腹の中から腸や脂肪が脱出してくる状態です。最近では腹腔鏡手術の普及により傷が小さくなり、腹壁瘢痕ヘルニアになる可能性は少なくなっていますが、小さな傷でもやはり生じることがありま す 。
症状
主な症状としては、傷の部分の膨らみですが、大きくなると美容上問題になったり、痛みを伴うこともあります。さらに最も問題になるのは、脱出した腸が捻れたり戻らなくなる、嵌頓と呼ばれる状態にもなりえることです。嵌頓を起こすと緊急手術になる場合があります。
治療
腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療は外科的な修復だけです。全ての方に手術の適応は無いですが、次第に大きくなってきたり、痛みを伴う方、美容上の問題のある方に手術の適応があります。手術の方法には腹腔鏡を用いる術式と開腹で行う術式があり、メッシュという人工のシートを用い筋肉を補強することが一般的です。当院では腹腔鏡と開腹手術の両術式に対応しています。以前の手術の傷の部分に膨らみがあり、痛みなどを伴う方は当院外科を受診していただければ腹壁瘢痕ヘルニアの治療について説明させていただきます。
この外科コラムは、広報誌「もっとみなみおおさか 2026年新年号」に掲載されています。
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