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南大阪病院外科News 2025年 臨時号

外科コラム

2019年から2023年の5年連続で食道裂孔ヘルニアの手術件数が日本最多になりました

 当院外科では2017年1月より、食道疾患の診療に力を入れ、食道疾患に対する新しい検査・外科的治療を導入してきました。食道疾患には、食道癌などの悪性疾患と逆流性食道炎などの良性疾患がありますが、食道癌に対しては、大学病院やセンター病院で導入されている胸腔鏡下食道切除術を導入し、年10例程度の方に適応しております。その一方で、食道良性疾患に対しては外科的治療を行なっている施設は少なく、特に大学病院やセンター病院では癌の治療を優先することから、食道良性疾患に対する外科的治療はあまり行われていません。 

 食道良性疾患のうち食道裂孔ヘルニアはご高齢の方に多い病気であり、嘔吐・胸部不快感・誤嚥など様々な症状を引き起こす病気として知られています。しかし、これまで本邦では食道裂孔ヘルニアに対する手術を積極的に行なっている施設は少なく、多くの方が内服治療のみで加療されてきた経緯があります。内服治療で、症状が改善する方もありますが、嘔吐や誤嚥など改善しにくい症状もあり、これらは外科的な治療でしか改善できません。

 当院では2017年より食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎に対する腹腔鏡下手術を積極的に行い、2019年より5年連続で手術件数が日本最多になりました。これに伴い、治療成績が安定し入院期間も短くなり、大阪府外からも多数の方が手術を目的に受診されるようになりました。今後も安全性に注意しつつ、食道良性疾患に対する外科的治療を行なっていきます。

2023年度全国食道裂孔ヘルニア手術件数集計

順位施設名手術件数在院日数
景岳会南大阪病院64件9.8
東京慈恵会医科大学病院48件11.8
岡山大学病院22件16.1
九州大学病院15件23
津山中央病院15件16.1
社団秀峰会川村病院13件16.9
自治医科大学附属病院13件18.5
名古屋大学医学部附属病院13件18.4
おもと会大浜第一病院13件12.9
10順天堂大学医学部附属順天堂病院12件32.9
長崎大学病院12件12.7
出典:病院情報局

南大阪病院外科では24時間体制で外科疾患の診療行っております。
Tel : 06-6685-0221 (代表)